厚生労働省は先月、伝統的に神事や衣服などに使われてきた産業用大麻を栽培する畑の管理要件を緩和するよう都道府県に通知した。向精神作用など有害性のない産業用大麻は伝統的な農産物だとして、以前から緩和を訴えてきた三重県の生産者は「第一歩ではあるが、まだまだ道半ば」。地域の特産品としてのさらなる活用を目指している。 (高橋信)
産業用大麻生産に取り組む三重県南伊勢町の「伊勢麻」の作業場。経営者の一人の谷川原健さん(40)は、発酵させて軟らかくした大麻の茎数本をまとめて持ち、慣れた手つきで剥いでいく。妻の未来さん(41)が専用の器具を使って、皮についた有機物をとる。乾燥させると、薄く透き通った繊維となり、神社のおはらいの道具などに使われる。
同県伊勢市で神事や衣服などに使われてきた大麻を新しい地域の農産物にしようと、大学関係者や企業経営者らが中心となり、二〇一四年に伊勢麻振興協会が発足した。栽培の担い手となったのが、県内の自然体験施設でインストラクターをしながら稲作にも取り組んでいた谷川原さんだった。
谷川原さんは一五年、産業用大麻産地である栃木県に家族で移り住んで栽培と加工を二年間学び、一八...
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