第103回全国高校野球選手権大会は10日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。開幕試合で日大山形と対戦する米子東(鳥取)は、春のセンバツを含めて史上初となる大正、昭和、平成、令和での4元号勝利が懸かる。紙本庸由監督(40)は「伝統があって自分たちは今、野球ができている。つないでいくという意味では令和の勝利を目指したい」と意気込む。
今大会の出場校では米子東のほか、北海(南北海道)、松商学園(長野)、静岡、高松商(香川)の計5校が過去の3元号で勝利を挙げている。令和最初の甲子園となった2019年夏には米子東、静岡、高松商、広島商が、今春のセンバツでは北海が挑んだが、いずれも初戦で敗退した。なかでも米子東は1915(大正4)年から始まった全国選手権の第1回大会から中止を除いて毎年、地方大会に出場する、全国に15校しかない皆勤校でもある。
米東(べいとう)の呼び名で知られる米子東は鳥取県有数の進学校。1900(明治33)年創部の野球部は、米子中時代の大正14年の25年夏に初出場勝利を挙げた。昭和初勝利は39(昭和14)年で、平成では96(平成8)年のセンバツで白星をつかんだ。
その後、長く低迷したが、2013年8月にOBの紙本監督の就任を機に着実に力をつけている。紙本監督は、動作解析の専門家の意見も踏まえて米大リーグの「フライボール革命」のようにアッパー気味にスイングさせるなど科学的な根拠に基づいて指導。チームは19年センバツに23年ぶりの復活出場を果たした。
一方で幼少時から「米東野球」に憧れていた指揮官は伝統も重んじている。「第1回大会からの皆勤校であることやユニホームなどの伝統を誇りに思う。折々で選手に伝えるようにしている」と、継承に取り組む。
60年センバツで準優勝した伝統のユニホームは、鮮やかな若草色の文字が特徴的だ。「勝者をたたえ敗者をいたわる清らかな心を持ち、清流に躍る若アユのごとくはつらつとあれ」という意味が込められている。
2年ぶりの夏の甲子園。歴史の針が再び動き出す開幕試合に臨む主将の長尾泰成は「甲子園でまず1勝して、応援をしてくださる皆様とともに1回でも多く校歌を歌いたい」と意気込む。若アユのように躍動し、4元号勝利とともに35年ぶりの夏勝利という新たな歴史を刻めるか。【安田光高、野原寛史】
からの記事と詳細 ( 「皆勤校」米子東 鳥取の進学校が開幕ゲームで狙う偉業 夏の甲子園 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
https://ift.tt/2VGkR2f
スポーツ
No comments:
Post a Comment