−−昨年を振り返ると
「やはり『コロナ禍』の影響だ。令和2年4〜6月期のガスの販売量は経験のない落ち込みで、5月は工業用と(飲食店やホテルなど向けの)業務用がそれぞれ前年比約5割減だった。その後は回復してきたが、販売量の急減は(原料の)液化天然ガス(LNG)の調達過多につながり、両面で大きな打撃を受けた」
東京ガスの内田高史社長=14日、東京都港区(桐山弘太撮影)
−−今年、重点的に取り組みたいポイントは
「当社を取り巻いている環境は、デジタル化、顧客の価値観の変化・多様化、エネルギー自由化、脱炭素化の4つに集約される。これらを進めつつ、海外事業もより注力していく」
−−菅義偉首相は昨年10月、2050年までに温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」にすると宣言した
「(脱炭素化に)正面から向き合わざるを得ない時期に来たと思う。地球温暖化を食い止め、持続可能な社会を実現することを一番の目標として、世界が動き始めている。『パラダイムシフト』(支配的な考え方の転換)が起きている」
−−再生可能エネルギーについては、令和12年までに国内外で500万キロワットの電源を確保するとしてきた
「足元では(開発中を含めると)136万5千キロワットで、(500万キロワットは)前倒しで達成したい。洋上風力発電でも(洋上に浮かんだ)『浮体式』に力を入れる。国内では、太陽光発電や陸上風力発電の適地がなくなってきているためだ。ただし、浮体式は技術開発を含めて時間がかかる」
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