中国の広東省統計局は7月18日、同省の2023年上半期（1～6月）の経済指標を発表した。それによると、同省の域内総生産（GRP）は前年同期比5.0％増の6兆2,909億8,000万元（約125兆8,196億円、1元＝約20円）だった（添付資料表1参照）。前期比でみると、2023年第1四半期（1～3月）は2022年第4四半期（10～12月）と比べ19.3％減、2023年第2四半期（4～6月）は同年第1四半期と比べ8.5％増だった。2022年下半期と2023年上半期を比べると、9.6％減で、2022年下半期の水準（6兆9,600億元）にはまだ戻っていない（添付資料表2参照、注1）。
産業別では、第一次産業が前年同期比4.6％増の2,270億9,500万元、第二次産業が3.7％増の2兆4,661億4,400万元、第三次産業が5.9％増の3兆5,977億4,100万元だった。
主要経済指標をみると、工業生産増加額（付加価値ベース）は前年同期比2.5％増の1兆9,300億元で、第1四半期（1.4％増）より1.1ポイント上昇した。業種別では、鉱業は5.9％減、製造業は2.1％増、電気・熱・ガス・水の生産・供給業は12.2％増だった。うち先進製造業は3.3％増で、一定規模以上企業（注2）の工業生産増加額（付加価値ベース）全体の55.1％を占めている。特に風力発電ユニットは2.0倍、デジタルプログラム制御スイッチは38.1％増、太陽電池は8.6％増、産業用コンピュータシステムは30.1％増、産業用ロボットは8.8％増などとなった。
投資（固定資産投資）は前年同期比4.4％増だった。うち工業投資は23.2％増、インフラ投資は10.8％増とプラス成長を維持した。産業別でみると、ハイテク製造業向けが21.3％増、先進製造業向けが18.9％増と、投資全体の増加率よりそれぞれ16.9、14.5ポイント上回った。そのほか、電力・熱力生産と供給業（30.9％増）、航空運輸業（33.1％増）への投資が高い伸びを示した。不動産開発投資は、前年同期比7.4％減の7,000億元で、うち商品住宅投資は5.9％減だった。
企業の景況感について、6月から7月にかけてジェトロが進出日系製造業企業数社にヒアリングしたところ、一部のサービス業では経済回復を実感していたが、製造業では新型コロナウイルス以降の売り上げは期待したほど回復しておらず、今後も景気回復は一定程度の時間を要するのではないかという見方が多かった。
（注1）広東省統計局の発表を基にジェトロ計算。同統計局は2023年1～6月の数字のみを発表し、現時点で4～6月の数字を発表していないが、1～6月のデータと1～3月のデータから4～6月（第2四半期）のGRPを計算。
（注2）当該年の主な業務の売上高が2,000万元以上の工業企業。
（汪涵芷）
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