日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は6月28日、第37回全日本物流改善事例大会で発表された優秀事例の中から、2023年度の最優秀物流改善賞3件、優秀物流改善賞5件を決定したと発表した。
2023年度最優秀物流改善賞は、物流業務部門でコマツ物流、物流管理部門でSBS東芝ロジスティクスと、本田技研工業が受賞。
コマツ物流による取り組みでは、苦渋作業と感じるボルト梱包作業で、データ解析から①載せ替え作業が多い②仕分け時の運搬動線が長い点に着目し、それぞれ①仕分け作業時、輸出容器の底板に直接仕分けることで乗せ換えを廃止、②コの字レイアウトの採用により動線を短縮したことで作業時間削減目標を達成、苦渋作業を大幅に削減した。
SBS東芝ロジスティクスの事例では、工業用電子管の包装仕様の問題点であるコスト高・作業工数増・環境負荷増(プラ使用)に対して、競合他社調査をふまえ、DFL思考で顧客製品仕様を制約条件と捉えて協働し、包装デザインのオール段ボール化・コンパクト化を実現。結果、包材費65%減、作業工数30%減、プラ100%減(脱プラ)、CO2量25%減を共創した。
なお、優秀物流改善賞は物流業務部門でNX・NPロジスティクス、花王、コマツ物流、ロジスティックスオペレーションサービス、物流管理部門でオカムラがそれぞれ受賞している。
■受賞事例と企業の一覧
「2023年度最優秀物流改善賞」(3件)
【物流業務部門】
受賞事例:海外向けボルト梱包作業の改善~苦渋作業を減らすぞ大作戦~
受賞企業:コマツ物流
【物流管理部門】
受賞事例:DFL思考 × 包装デザインアップデートによる顧客価値共創 ~工業用電子管におけるコスト低減、作業性向上、サステナビリティを追求~
受賞企業:SBS東芝ロジスティクス
受賞事例:物流作業の標準時間算出ツール開発による作業要員数の適正化
受賞企業:本田技研工業
「2023年度優秀物流改善賞」(5件)
【物流業務部門】
受賞事例:物流IEを活用したサステナブルなオペレーションの実現 ~”働きたくなる”受注センターに向けた全員活動~
受賞企業:NX・NPロジスティクス
受賞事例:待機時間削減に向けた自動倉庫からの出荷能力向上
受賞企業:花王
受賞事例:ハンディターミナルシステム導入による出荷梱包業務の合理化推進活動 ~20年以上続く手作業からの脱却~
受賞企業:コマツ物流
受賞事例:受託業務における標準化/平準化とDX
受賞企業:ロジスティックスオペレーションサービス
【物流管理部門】
受賞事例:大口物件集中管理専門組織の設立による物流要件を取り込んだ戦略的納入計画の立案と遂行
受賞企業:オカムラ
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