愛知県の矢作川から農工業用水を取水する施設「明治用水頭首工（とうしゅこう）」（同県豊田市）での大規模漏水に伴い、通常の８５％程度に給水を制限していた工業用水について、県は二十九日午後六時から通常の給水に戻すと発表した。
工業用水について制限が解除されるのは、大規模漏水が発覚した五月十七日以来。農業用水は一日から原則的に全面通水に戻っている。今月下旬になり、わせ種の水稲の稲刈りが進んで農業用の取水量が減っていることから、工業用水を通常利用に戻しても、農業用水を圧迫する懸念は少なくなったと判断した。
明治用水からは、県企業庁が「西三河工業用水道事業」として水を引いており、自動車産業や発電所など百三十一事業所が工業用水を利用している。大規模漏水発覚直後は一時、一斉に利用停止に追い込まれ、その後も通常の３０〜８５％の給水制限を実施していた。
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