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Sunday, April 3, 2022

2021年のGDP成長率は前年比11.7%、過去最高を記録(チリ) | ビジネス短信 - ジェトロ(日本貿易振興機構)

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チリ中央銀行の発表(3月18日)によると、チリの2021年における実質GDP成長率は11.7%だった。前年のマイナス成長から一転、中銀の統計データの中で過去最高となる成長率を記録した(添付資料図参照)。中銀は、経済が段階的に再開されたこと、年間を通して新型コロナウイルスの衛生危機に家庭や企業が適応したこと、などを高成長の要因として挙げている。

GDP成長率を需要項目別にみると、内需は前年比21.6%増で、民間消費が20.3%、政府消費が10.3%と大幅に増加した(添付資料表1参照)。消費の増加は、レストラン、ホテル、健康分野といったサービスへの消費や、非耐久消費財、衣料、食品などのモノの消費増加がその中心となった。一見すると、「新型コロナ禍」からの経済回復を象徴するポジティブな事象ではあるものの、政府による家計や企業への経済的な支援、年金の一部引き出し法の成立などの一時的な要因がその背景にある点には留意が必要だろう。また、政府消費は主に教育サービスの増加によるもので、これはオンライン授業の増加や、段階的に対面式授業が再開したためだ。

総固定資本形成は、工業用機械や牽引車の購入が増えたことで設備投資が前年比26.4%増加し、全体で17.6%増となった。また、建設・その他の投資は建設活動の増加と建設計画の再開により、12.3%増となった。

財・サービスの輸出入は、輸出が1.5%減、輸入が31.3%増だった。輸出は主に銅の輸出減により伸び悩んだ。輸入の増加は自動車、牽引車、テクノロジー製品、工業用機械、家電の輸入増によるもの。

経済活動別にみると、鉱業以外の全ての項目において前年比で増加した(添付資料表2参照)。全体の成長率への寄与率が高かったのは個人サービス(寄与率:24.5%)と商業(21.7%)で、個人サービスは、主に「新型コロナ禍」により減少した、急を要さない医療サービスの利用が前年と比較し増加した。商業は、小売業で衣類、履物、家電などの売り上げが増加し、卸売業では機械設備、食品などの販売が増加した。一方で鉱業は、一部の鉱山において鉱石の品質低下や、新型コロナ対策による作業人数の減少により、0.6%減となった。

中銀は、3月30日に発表した金融政策報告書の中で、2022年通年のGDP成長率は1.0~2.0%のプラス成長になるとの予想を発表している。

(岡戸美澪)

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