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Friday, February 11, 2022

メーガン妃も魅了、工場生まれの「永遠の輝き」 - 読売新聞

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 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「ダイヤモンド」。

 地球の深部で、何億年もの時をかけて生成されるダイヤモンド。「永遠の輝き」が多くの人々を魅了してきた。ところが近年、工場で数週間で生成できて割安な「合成ダイヤモンド」が、宝飾品として注目の的に。こちらの輝きもまた、永遠だろうか?

 百貨店大手の松屋(東京)は昨年8月、合成ダイヤのアクセサリーブランド「ENEY」を発表した。素人目には天然ダイヤと見分けがつかないが、0.5カラットの1粒ダイヤの指輪は31万9000円で、天然の半額ほど。30歳代から富裕層まで、客層は幅広い。

 天然ダイヤは10億年以上前、地下約150キロ・メートル超の地球深部で、1500度超の高温と大気圧の4万5000倍の圧力で炭素原子が結晶化することで生成された。火山活動のマグマで地表近くに運ばれたものが採掘される。

 一方、宝飾用合成ダイヤの生成方法は主に二つ。地球深部と似た環境を人工的に作り出し、そこで炭素を結晶化させる方法と、炭素を含むガスから取り出した炭素原子を結晶板に付着させる方法だ。いずれも数日~数週間で完成する。ENEYを担当する松屋の島田成一郎・スタートアップ事業課長は「技術水準や経験値の高い工場と提携し、安定して高品質の合成ダイヤを生成できる」と力を込める。

 合成ダイヤは元々工業用に開発され、1990年代ごろから米国などで宝飾用が販売された。2000年以降は中国で量産されるように。18年には、世界最大のダイヤ採掘業者「デビアス」が合成ダイヤのブランドを発表し、業界を驚かせた。

 英国のメーガン妃や女優のペネロペ・クルスさんら海外セレブが好んで着用。日本でも近年、老舗宝飾店や大手ジュエリーブランドが合成ダイヤを相次ぎ発売した。米国のダイヤ市場調査機関によると、その国際市場は18年の19億ドルから、35年には149億ドルに伸びる見通しだ。

 ただ、一般社団法人日本ジュエリー協会(東京)は「合成ダイヤは宝石ではない」と明確に表明している。宝石の要件の一つ、希少性がないためだ。小山藤太会長は「合成ダイヤは量産可能な工業製品。天然ダイヤとは別物だ」ときっぱり。

 こうした自信の根拠は、宝石の中でも特別な存在だった長い歴史にある。

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