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Sunday, November 21, 2021

ホテル備品 原料エコ化 - 読売新聞

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 幅広いホテル用備品(アメニティー)の製造販売を手がけ、歯ブラシの全国シェア(市場占有率)は約2割。使い捨てのヘアブラシ、シャンプーやリンスなどの包装には、プラスチックが多く利用されているが「脱プラスチック」が注目される近年、動植物由来の再生可能な有機性の資源「バイオマス」原料を使った製品の開発に力を入れる。

 約10年前から開発を続け、昨年から提供を始めたのは、古くなった米や精米などの過程で粉砕されるなどして食用に適さず、本来なら廃棄される米を配合した歯ブラシだ。

 新潟県から納入した廃棄米をプラスチック原料と混ぜ合わせた、全体の約35%に米を配合した歯ブラシ。原料費は従来製品の倍ほどかかるため、持ち手の部分に穴を開け、全体を薄くすることで軽量化し単価を抑えた。プラスチック使用量も、7グラムから半減できた。

 米を約70%配合した製品も強度などの課題をクリアしつつあり、武内英治社長(54)は「環境に優しい製品で、多少高くても売れる。来年の早い時期に提供したい」と意気込む。

       ◇

 海洋プラごみ問題などが注目され、脱プラに向けた対応が各地で進む中、2008年に高級化粧品などで有名な仏企業とライセンス契約を結び、いち早く取り組みを始めた。武内社長は「早い時期から国際的な感覚が養え、エコへの意識が高まった」という。

 そこから、紙素材や様々な用途に使われた後のサトウキビを使ったシャンプーの詰め替え容器、ワラを使ったカミソリ、トウモロコシを配合したシャワーキャップなどのエコ製品も数多く開発。生物由来の原料を利活用し、品質や規格などに適合した商品を一般社団法人・日本有機資源協会が審査して認定する「バイオマスマーク」も取得した。

 今後、ホテルへの納入に加え、一般消費者向けの商品も増やす方針だ。米配合歯ブラシも、インターネットや各地のスーパーなどで販売を開始。マスクなどの衛生商品にも注力する。米の輸送費などを抑えるため、四国の休耕田を活用して、エコ製品の原料となる工業用米を生産することも検討している。

 武内社長は「今も商品の9割は、プラスチック原料100%。さらに取り組みを進め、将来的には年間400トンに及ぶ使用量を、半分にすることを目指したい」と力を込める。(猪原章)

       ◆

 1992年10月、ホテル用歯ブラシの製造を行う「山陽刷子」の商事部門から、ホテルアメニティー全般を企画製造販売する会社として独立。バスタオルやスリッパ、コーヒーなど幅広い商品を手がける。上海やベトナム、ミャンマーにも海外拠点を置く。従業員128人。

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