インド風スパイスの味をかみしめ、初の2週連続優勝を狙う。女子ゴルフの渋野日向子(22=サントリー)が14日、初出場となる富士通レディース(10月15~17日、千葉・東急セブンハンドレッドC)の開幕前日練習に臨み、早朝から夕暮れ間際まで約8時間もかけ、全18ホールの入念な確認と打ち込みに汗を流した。会見では、19年11月以来となった先週の勝利の味について「カレーせんべい」と表現。一度食べると止められないうまさを勢いに変え、再び頂点を狙う。
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686日ぶりに味わった先週の勝利から4日。渋野は「どの優勝もうれしいですが、初優勝や全英での優勝に比べるとすごく考えることの多かった優勝でした。私の中では一番感慨深い出来事だったかな」と振り返った。その味を問われると「難しいですね」と少し考え「カレーせんべいとか? ちょっと辛い感じ。わかんないけど。ハハハ」としぶこスマイル。父親が良く食べているというインド風本格スパイスが特徴の亀田製菓の「カレーせん」になぞらえて答え、会見場は和やかな笑いに包まれた。
後味は悪くない。先週の戦いも加味し、「全体的に春先よりはレベルが増している」と自信も口にした。この日は午前9時すぎに会場入り。前日は悪天候でハーフラウンドをキャンセルしており、初出場となる大会へ備え、全18ホールを約5時間半かけてチェックした。その後は閉鎖時間ギリギリまで打撃練習場で打ち込み、パッティング練習までを終えたのは日没時刻も超える午後5時9分。「やることは変わらずです」と語り「2週連続優勝はめちゃくちゃ難しいことだと思っているので特に考えていません。目の前の1打に集中して悔いを残さず戦いたい」と表情を引き締めた。
ニューしぶこ誕生も予感させる。通算5度目の優勝は「やっとスタート地点に立てた感じ」とも言った。スイング改造など試行錯誤を繰り返して探ってきた新たな形。「どうしても19年の自分が渋野日向子だと思われているし、そこを基準にしてしまっているのが今の自分でもある」と葛藤も口にし、「その基準が21年の自分に変わってほしいなっていうのは願いでもありますし、自分でも確かめたい」と話した。
久々の優勝は最良のスパイスとなった。AIG全英女子オープン制覇や国内4勝など飛躍を遂げた19年からさらに進化した姿へ。刺激たっぷりの渋野は、自信を持って信じる道を進む。【松尾幸之介】
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