曙ブレーキ工業は、鉄道車両用ブレーキで欧州市場に参入する。現地の鉄道事業者からの受注獲得に向け、ブレーキの性能試験に用いるダイナモメーターで国際鉄道連合(UIC)の認証を取得した。欧州の部品メーカー以外で、同認証を取得した部品メーカーは初めてという。欧州と規格が似通う中国での事業展開も見据える。2030年度に鉄道事業の売上高における海外比率を20%(20年度は2%)に高める計画。
曙ブレーキは19年に本社機能のある「Ai―City」(埼玉県羽生市)に最新のダイナモメーターを導入。20年にUIC認証を「ディスクブレーキ試験」「制輪子試験」の2項目で取得し、UIC規格に適合した製品の開発が可能になった。開発と生産は日本の拠点が担う。原則として欧州の鉄道事業会社はUIC規格を満たした製品でなければ採用しない。
UICはフランスに本部があり、世界の鉄道事業者約200社・団体が加盟する。曙ブレーキは、認証取得を契機にUICと関係を築き、欧州の鉄道事業者のニーズの把握や情報収集に役立てる。
曙ブレーキの20年度の鉄道車両用ブレーキの売上高は約48億円で、全売上高の約3・6%を占める。同ブレーキの各種部品で国内市場で高いシェアを有しており、焼結制輪子はシェア100%を誇る。さらに車両保有台数が多い欧州に進出し事業拡大を狙う。
中国市場への参入も視野に入れる。同国にもUIC規格と類似した規格がある。曙ブレーキは欧州向け製品の開発で蓄積したノウハウを生かせば、中国の鉄道事業者のニーズに対応できるとみる。
同社は60年にわたり鉄道車両用ブレーキ事業を展開しており、在来線車両用から高速鉄道車両用まで手がける。
日刊工業新聞2021年7月13日
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