侍ジャパンの東京オリンピック(五輪)代表に日本ハム伊藤大海投手(23)の追加招集が決定的なことが4日、分かった。代表メンバーに内定していた巨人菅野智之投手(31)のコンディション不良による辞退が3日に決定。エース格が離脱する中で、ドラフト1位右腕に白羽の矢が立った。

伊藤は開幕から先発ローテに定着し、6勝4敗、防御率2・65と最下位に沈むチームの中で奮闘。5~7月は5連勝中で防御率1点台と例年、ルーキーは疲労がたまる時期にもかかわらず、成績を伸ばしている。150キロ台の直球に複数種類のスライダー、90キロ台のカーブを駆使して奪三振能力も高く、74回2/3で80奪三振。プロ初登板初先発した3月31日西武戦の初回から4月21日ロッテ戦の4回まで23イニング連続奪三振を継続し、プロ野球新人記録に並ぶ快挙も遂げていた。

侍ジャパンではロングイニングも含めた中継ぎ起用が中心となりそうだ。大学代表では不動の守護神を務め、日本ハムでもキャンプ時はクローザー構想もあり、救援の適性はある。稲葉監督はキャンプ視察時に「1つ1つのボールがいい。強さもあるし、完成度の高い投手。特にマウンドでの気持ちの強さ。僕は野手だったので守っていて感じる。チームにいい影響をもたらす」と高く評価していた。

中川の代役にはソフトバンク千賀の追加招集が確実。ラストサムライに伊藤を加え、5日までに日本オリンピック委員会に正式メンバーを提出する。

◆伊藤大海(いとう・ひろみ)1997年(平9)8月31日、北海道鹿部町生まれ。駒大苫小牧2年春にセンバツ出場。駒大進学も1年秋に退学。17年、苫小牧駒大に再入学。2年春、4年秋にMVP。18、19年大学日本代表。20年ドラフト1位で日本ハム入団。3月31日西武戦でデビューし、初登板から23イニング連続奪三振の新人タイ記録。4月28日ソフトバンク戦で初勝利。今季推定年俸1500万円。176センチ、82キロ。右投げ左打ち。