ライトフィールドカメラによる3D画像検査のソリューションプロバイダー「奕目科技(VOMMA Technology)」がプレシリーズAで「原子創投(ATOM VENTURES)」から数千万元(数億元)を調達した。同社CEO兼共同創業者の李浩天氏によると、今回調達した資金は研究開発の強化、組織の構築および生産設備の購入に充てるという。 奕目科技は2019年設立で、2012年からにライトフィールド技術の研究を開始。2017年に自社で知的財産権を保有する初の産業用ライトフィールドカメラシステムをリリースした。李氏によると、奕目科技はライトフィールドカメラの光学設計、パッケージング・製造、画像の3Dレンダリングなどソフトおよびハードウエアのコア技術を全面網羅する中国で唯一の企業で、ライトフィールドのアルゴリズム、光学設計、ハードウエアのパッケージングに強みを有する。 ■01.ライトフィールド技術の活用 産業用3Dビジョンは2Dビジョンに比べ、解像度、精度や高速での検査能力が高く、環境光の干渉を受けにくい。3Dビジョンは3C製品(コンピューター、通信機器、家電)、自動車製造、半導体などの分野での利用が見込まれる。36Krは過去に産業用3Dビジョン市場の規模について、自動車製造、医療、金融のなどの分野だけでも1000億元(約1億6700万円)に達すると予想していた。 ライトフィールドカメラによる3D画像生成の原理とソリューションは、レーザーやストラクチャード・ライトとは異なり、複数の視野角、焦平面、次元の情報を得られるため、1台のカメラが1回撮影するだけで、多焦点、多視点、3D測量/モデリングなどを実現できる。 ■02.サムスンのサプライチェーンに参画 工業分野の品質検査において、ライトフィールドカメラはレーザーやストラクチャード・ライトを当てる必要はなく、環境光や光の遮蔽の影響をあまり受けないため、感光性の高い素材、透明や半透明の素材、反射材を対象とする3D検査で強みを発揮する。また、ガラス、フィルム、微小金属などの複雑で精密さが求められる対象物に関しても、高速かつ高精度で3D欠陥検査を行うという難題を解決した。 奕目科技によると、現在スマホスクリーンを構成する素材ごとの検査、TWS(完全ワイヤレスステレオ)に使用されるMEMS(微小電気機械システム)マイクのチップ、およびチップのボンディングワイヤー検査などの分野では世界でも3Dソリューションがない。ここに奕目科技の技術の独自性があるという。 奕目科技のライトフィールドカメラはすでにMEMS、CIS(密着型イメージセンサー)チップ、3C部品の検査、スマホのスクリーンの保護フィルムや光学樹脂、ガラスなどの検査、チップの金ワイヤ検査など精密検査に使用されている。「中国航天科技集団(CASC)」傘下の宇宙研究機関である「上海航天技術研究院(SAST)」、サムスンなどが顧客に名を連ねる。 奕目科技はすでにサムスンの産業チェーンに参画し、無線ブルートゥースイヤホン、スマホのカメラとスクリーンの検査に使われている。奕目科技が生産する3Dライトフィールドカメラは、従来の視覚化ソリューションでは成し得なかった検査結果を実現した。 (翻訳・二胡)
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