2021年F1プレシーズン・バーレーンテスト最終3日目を終えて、メルセデスはシーズン最大のライバルと位置付けるレッドブル・ホンダに対して、現時点ではレースペースはおろか低燃料での予選パフォーマンスでも「及んでいない」と認めた。
バーレーンでの3日間のテストを最速で締め括ったのは、8連覇を目指すメルセデスではなくレッドブル・ホンダだった。エースのマックス・フェルスタッペンは前年王者のルイス・ハミルトンに対して1秒以上のギャップを築き最速の称号を手にした。
タイムシートに、特に上位のそれに大きな意味はないが、マシンの挙動は別だ。
エンジンカバーに「AMG」のロゴを掲げるW12は安定性を欠き、ハミルトンはタイム計測に向かったアウトラップの最終コーナーでトラクションを掛けた際、リアを失いアボートを余儀なくされた。再度C5を履いて計測に向かったがクルマの挙動は安定せず5番手に甘んじた。
ハミルトンは土曜日にもスピンを喫してグラベルに捕まり、身動きが取れずに赤旗の原因を作った。7度のF1ワールドチャンピオンは特にテストにおいてミスをする事はない。
ギアボックストラブルによって走行時間を大幅に失った初日に続き、メルセデスは最終日もガレージ内で多くの時間を過ごした。ハミルトンは午後の開始時刻を迎えてもコースに出てこず、ガレージ前にはスクリーンが立てられ、中ではメカニックがフロアを外しての作業に取り組んでいた。結局ハミルトンがコースインしたのは開始1時間10分後の事だった。
昼夜の路面温度差が大きく突発的な強風が吹く事に加えて、テスト期間が3日間という短さであるため、チーム間序列を含めて何か結論めいた事を求めるのは例年のバルセロナテスト以上に難しいものの、メルセデスが早急に対処する必要がある課題を抱えているのは確かだ。
メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、2日目までと比べればマシンの予測可能性は向上したものの、ペースという点ではレッドブル・ホンダに劣っていると認めた。
ショブリンは「ここ数日で収集したデータによると、レースペースではレッドブルに及ばないことが判明した。燃料が少ない状態での走行はより厳しいものだった」とした上で、他のライバルの多くにも先行を許す状態であり「アプローチを見直す必要がある」と語った。
メルセデスは過去7シーズンのいずれにおいても、テストという場で真の実力を見せる事はなく、2019年のように本当に問題を抱えていた時でさえ、シーズン開幕までに帳尻を合わせて支配的な力を発揮してきた。
こうした過去の経緯から「三味線を弾いているだけ」との疑いの目が向けられるわけだが、ショブリンは今回ばかりはどうにもならないかもしれないと、メルセデスファンに覚悟を促す。
「ここ数年の冬のテストではペース不足という問題を抱えながらも、なんとか開幕戦まで改善してきたが、今回はそうもいかないかもしれない。レースまでに残された時間は僅かしかない」
テスト最終日を振り返ったハミルトンは「僕はあまりテストが好きじゃないけど、今回ばかりはもっと多くの日数が欲しいと思った」とした上で、幾らか改善できた部分があるものの「望む場所には達していない。どこか一つという事じゃなく、ラップ全体の改善が必要だ」と訴えた。
バルテリ・ボッタスも課題がある事を認めるものの、ハミルトンやショブリンと比べると幾らか楽観的だ。
ボッタスはやるべき作業が残っているとしながらも「このクルマとチームには、タイトルを争うだけのポテンシャルがあると信じている。性能的にはまだ十分とは言えないけど、きっとそうなるはずだ」と語った。
メルセデスは2週間後の開幕バーレーンGPまでにどれだけ修正できるだろうか?
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