大関貴景勝(24=常盤山)の休場理由について、師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)が電話取材に応じ、3日目の北勝富士戦で左足首を負傷したと明かした。

昨年11月場所で大関として初優勝した貴景勝は、今場所は横綱昇進が懸かっていたが、初日から4連敗を喫するなど9日目を終えて2勝7敗と不振だった。

貴景勝の負傷を同親方が知ったのは「5日目ぐらい」という。痛みに耐えながら9日目まで出場した大関について「『不完全燃焼なので取らせてください』ということで昨日(18日)まで取った。昨日の夜に『これ以上相撲が取れないので、休場させてください』ということだった」と説明した。

5日目の北勝富士戦は激しい押し合いで、最後は貴景勝の左足の甲が返ってしまい、突き落としで3連敗となってしまった。患部の状態について常盤山親方は「多少腫れている。ひねった感じ。関節の靱帯(じんたい)ですね。骨折まではしていない。(左)足首を痛めたことは聞いたことがない」と説明。全治は1カ月弱という。

体重の増加による影響について、師匠はきっぱりと否定した。NHK大相撲中継で解説を務める北の富士勝昭氏(元横綱)らは、貴景勝の不振の影響について体重の増加を指摘していた。小結で初優勝した18年九州場所では170キロで、現在は183キロ。足首などにかかる負担も増しているのではないかと問われると、常盤山親方は「稽古したり運動しながら大きくなっている。大きくなりすぎたと思ったら食事面の加減もするだろう。大きくなりすぎたと私は感じない」と否定した。

綱とりの重圧と戦っていた今場所。師匠は「精神的にも大変だったと思う。精神力の稽古みたいな感じ、今場所は」と、貴景勝の心中を察する。負け越しが決まり、来場所はかど番となる。同親方は「一番はしっかり治すこと。3月場所に向けて最大限努力するしかない。とにかく稽古で体を鍛えていくしかない」と話した。