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Sunday, July 3, 2022

高性能は要らない、惣菜工場に産業用ロボットは高すぎる - ITpro

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 人手不足を背景に、食品業界でもロボットによる生産性向上が期待されている。しかし、産業用ロボットの多くは製造業や物流用途を想定しているため、食品を容器に盛り付ける惣菜工場の現場には、必ずしも向かない側面があるという。ロボットの導入費用が高いために人を雇った方が安上がりだったり、ロボットの性能が高過ぎたりするというのだ。

マックスバリュ東海で稼働する惣菜盛付ロボット

マックスバリュ東海で稼働する惣菜盛付ロボット

ハンド機構で惣菜を盛り付ける。(写真:日本惣菜協会)

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 ロボットメーカーが本気を出せば、すぐにでも性能を落とした安価なロボットを造れそうなものだ。ところが、話はそう単純ではないらしい。今のところ、産業用ロボットメーカーにとって惣菜工場は有力な販売先とは言い難く、性能とコストのバランスに優れたロボットを開発する動機に乏しいようだ。

 「ある程度の市場規模がなければ、ロボットメーカーも対応製品の販売が難しいのだろう」――。経済産業省のロボット政策担当は現状をこう話す。

 ちなみに、惣菜工場にとって産業用ロボットの性能が高すぎるという表現は、やや正確性に欠けるかもしれない。ロボットの動作スピードや位置決めの精密さが、製造業などと比べてあまり問われないという意味だ。一方で、惣菜は形が定まらず、柔らかい物体が多い。エンドエフェクターで常に一定量をつかんだり、それをこぼさずに容器まで運んだりという点では、惣菜の扱いは産業用ロボットにとって難しい仕事といえる。

価格は1000万円

 そうした課題の解決に向けた糸口を探ろうと、業界団体が動き出している。日本惣菜協会(東京・千代田)が、会員企業による惣菜盛付ロボットの導入を進めている。経済産業省が事業費のおよそ3分の2を補助する取り組みの一環だ。

 その一例が、マックスバリュ東海のデリカ長泉工場(静岡県長泉町)。食品ロボットシステムで実績のあるコネクテッドロボティクス(東京都小金井市)などが開発した惣菜盛付ロボットを4台導入して、ポテトサラダの盛り付けを自動化した。

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惣菜盛付ロボット

惣菜盛付ロボット

ロボット1台で1人分の作業をこなす。(写真:日経クロステック)

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