東芝デバイス&ストレージは、車載情報通信システムおよび産業用機器向けに、10Gbpsの通信速度を可能にするイーサネットブリッジIC「TC9563XBG」をラインアップに追加し、サンプル出荷を開始した。2022年8月から量産を開始する予定。
車載ネットワークは、今後ゾーンアーキテクチャ―[注1]に進化していく中、各ゾーン間の通信はマルチギガ[注2]と呼ばれる1Gbps以上のイーサネットでリアルタイム接続されるようになる。
新製品は、東芝デバイス&ストレージ初の2ポートの10Gbps対応のイーサネットを搭載し、USXGMII、XFI、SGMII、RGMII[注3]のインターフェースから選択可能。この2ポートのイーサネットはそれぞれリアルタイム処理、同期処理を可能にするイーサネット AVB[注4]およびTSN[注5]に対応している。さらに、簡易SR-IOV(バーチャルファンクション)[注6]に対応している。これらの機能により、新製品は次世代の車載ネットワークに適したソリューションを提供する。
また、ゾーンアーキテクチャーでの利用に限らず、各通信機器の速度も高速化してきており、IVI、テレマティックスなど幅広い車載のアプリケーションや、産業機器にも適用できる。同社既存製品である1Gbps イーサネット対応のTC9560、TC9562シリーズの後継品としても活用できる。
さらに、近年Wi-Fiなどデバイス間の通信にPCIeインターフェースを備える機器が増えてきており、ホストSoCが持っているPCIeインターフェースが不足する傾向にある。新製品は、ホストSoCとの通信および、PCIeインターフェースを搭載している機器との接続のため、3ポートのPCIe Gen3対応スイッチを搭載。PCIeスイッチの構成は、ホストSoCとの接続用に4laneのアップストリームポートが1つ、PCIe搭載機器との接続のために1laneのダウンストリームポートが2つ。3ポートPCIeスイッチ機能を利用することで、PCIeインターフェース不足を解消できる。
なお、新製品は、車載ICの品質試験規格AEC-Q100 Grade 3[注7]に準拠予定。
品番 | TC9563XBG |
---|---|
CPUコア | Arm Cortex-M3 |
HOST (外部アプリケーション)インターフェース | PCIe I/F : Gen3.0(8GT/s) 3ポートスイッチ Upstream: 1ポート ×4 lane Downstream:2ポート 各x1 lane パワーマネージメントとして、L0s, L1 and L1 PM 簡易SR-IOV(バーチャルファンクション)の利用可能 |
車載インターフェース | Ethernet AVB、TSN対応MAC内蔵(2ポート)
対応インターフェースは 通信速度は |
周辺インターフェース | I2CまたはSPIからの選択 UART 1ch割り込みポートGPIO |
電源電圧 | 1.8V/3.3Vからの選択 (IO) 1.8V (USXGMII/XFI/SGMII/RGMII) 1.8V (PCIe、PLL、OSC) 0.9V (Core) |
パッケージ | P-FBGA 220ボール、10mmx10mm、0.65mmピッチ |
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