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Monday, December 6, 2021

スポンジ博士・原井敬さん スリーエム ジャパン「スコッチ・ブライト」 - 東京新聞

takmaulaha.blogspot.com

 家庭、医療用品や文具などを扱うスリーエム ジャパン(品川区)。同社で食器や鍋、浴室など家庭用クリーニング製品を開発しているのが原井敬(さとし)さん(46)だ。

 2000年入社。最初の7年間は工業用粘着テープを、その後はキッチンスポンジなどを対象にした同社のロングセラーブランド「スコッチ・ブライト」の開発一筋。社内では敬意を込めて「スポンジ博士」と呼ばれる。

 汚れを落とすザラザラとした緑色のナイロン不織布と、泡を立てる黄色のウレタンを貼り合わせたスポンジたわしの耐久性を上げてほしいとの注文が、異動後しばらくしてあった。実に47年ぶりの大改良。大学院で学んだ応用化学の知識と、入社後に培った接着技術研究を生かす時が来た。

 洗浄力を高めるには不織布に接着剤を多く用い、ザラザラとした研磨粒子をガッチリ付着させれば良い。しかし全体に硬くなり手にはなじみにくくなる。絶妙なバランスを見つけ出し、不織布のけば立ちを抑えてスポンジを長持ちさせながら泡立ちも確保した。9カ月ほどかけて完成品に仕上げた。

 「研磨剤の配合量や接着剤技術などさまざまなテクノロジーが集約されたキッチン用品です」

 サイズや形状は、実際に手で持ったときの感覚を大切にしつつミリ単位で決める。洗剤との相性確認も欠かさない。腕に震えがくるほど何度もスポンジを握り、泡立ちの良さを検証した。いずれも実証データはあるが、実践重視だ。

 不織布に大小2種の研磨粒子を組み合わせた「プレミアムスポンジ」は自慢の一品。不織布部分に新素材を採用し、食べかすの汚れが目詰まりしにくい「スクラブドット清潔スポンジ」など、70種以上の商品を扱ってきた。

 今まで手に触れたスポンジの数は8000個以上。周囲はスポンジだらけになり、職場はもちろん自宅にも積み上がった。

 「全部子どものようにかわいい」と顔を緩める。「不織布とスポンジの接着技術に磨きをかけ、究極に汚れが落ちて極上のふわふわ感もあるスポンジたわしを、いつか誕生させたい」と意気込んだ。 (新井すずみ)

◆ここがポイント

手に触れたスポンジは延べ8000個 キッチン用品にテクノロジー満載 サッと汚れ落とし快適な握り心地

 ウレタンスポンジとナイロン不織布の2層構造、握りやすい波形の「ハイブリッド貼り合わせスポンジ」=写真(左)。まな板やシンク洗いなどに便利な「キッチン用ミニブラシ」=同(右)。握りやすいグリップで滑りにくく、コシのある毛先に抗菌加工を施す。いずれもオープン価格。(問)カスタマーコールセンター=(電)0120・510・733


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