■ふとした会話に本音
取引先の中には、他社製品への不満や東洋紡への要望をストレートには言わない人もいる。「ちなみに東洋紡さんはどうなんですか」などと雑談の中で遠回しに尋ねてきたら、そこに潜む相手のニーズをくみ取る。 若手で汎用フィルムの担当だった時、ふとした会話から取引先がフィルムのロールの長さに不満を持っていることに気づいた。取引先の生産効率を高める利点もあり、より長いロールの製品を提案して採用につなげた。 新型コロナウイルス禍で海外の取引先と直接会ってコミュニケーションをとることは難しくなった。言葉の壁に加えて、オンライン上の商談で相手の本音はなかなか見えてこない。それでも現地の代理店と協力しながら、変化に目をこらす。 19年3月から主力のコスモシャインSRFを担当する。これまでの「個人プレー」中心から、生産や開発など多くの関係者と足並みをそろえた売り方が求められる。「チームでは自分の考えとは違う方針になることもある」。ジレンマを感じる時があっても「それ以上に任せてもらったやりがいが大きい」と話す。 3つの生産ラインの担当者や開発担当者など10人以上と日々コミュニケーションを取りながら、取引先の要望や想定外のトラブルに対処する。テレワークも増えたが、メールだけのやりとりはできるだけ避ける。声の調子が分かる電話や表情が見えるオンライン会議の方が、話の内容や意図が正確に伝わるからだ。
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