「楽天のマー君」が、いよいよ動きだした。楽天に8年ぶりに復帰した田中将大投手(32)が6日、沖縄・金武での1軍キャンプに合流した。首脳陣、選手、スタッフらへあいさつ後は別メニュー調整。キャッチボールでは座った捕手で変化球も投じた。練習後はブルペンで若手の投球練習を見学。今日7日にもブルペン投球を予定する。マー君に沸いた1日を、楽天担当の桑原幹久記者が追った。

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青空広がる午前9時。球場正面入り口前に「もうすぐバスが到着します!」と球団広報の声が飛んだ。普段よりも声色が若干高めな報道陣が色めき立つ。5分後。この日の主役が現れた。誰よりも一段と厚い体に、腕に「18」と縫われたクリムゾンレッドのチームウエア。一野球ファンとしてテレビ越しに見ていた「楽天の-」に、不思議と違和感は覚えなかった。

ただ、グラウンドではやはり「8年ぶり」。チームが集合する右翼へ1人で向かう田中将は、眉間に少ししわ。「7年たって、知らない人が多いからじゃないですか」と辛島。気心知れた自主トレメンバーと輪を作ると、ようやく笑み。あいさつでは「気軽に」と3度発信。周囲を気遣うフレーズが特に耳に残った。

その一挙手一投足に報道陣は「今どこにいる?」と右往左往。田中将はスパイクに履き替え、悠々とサブグラウンドへ。ジョギング、短めのダッシュなど10分足らずのウオーミングアップで、あっという間にグラブを持った。キャッチボールで変化球を試投し終えても、メイングラウンドはまだ全体アップ中。状態の良さに練習テンポの良さ。これが“メジャー仕込み”の調整法?

最後はブルペンでしっかり予習。早川、西口らの投球練習を見ようと捕手後方に陣取った。にじみ出る存在感に、空気は自然にピリッ。目に力を入れ、ともにプレーした経験のない若手投手たちを凝視した。チームの変化を、球、表情、ムードから感じ取っているように見えた。

午後1時25分。時折笑い声も響かせた取材対応を終えると、田中将は帰路についた。追いかけ回った報道陣も「ふー」。高台のメディア駐車場やサブグラウンド横の道路から球場を眺める人の姿もわずかに見られたが、混乱はなし。「楽天のマー君」は、すこぶる順調に1歩を踏みだした。【桑原幹久】

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