4日(日)、中山競馬場で開催される秋のスプリント王決定戦、スプリンターズS(G1)。1990年にG1に格上げされてから今年でちょうど30年を迎える。
3月の高松宮記念(G1)に続き、春秋スプリントG1制覇を狙うのがモズスーパーフレア(牝5歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。高松宮記念は2位入線から繰り上がりでの優勝だったが、今回はスッキリ、先頭でゴールを駆け抜けることはできるだろうか。
モズスーパーフレアといえば、作戦は一つ。もし競馬に逃げ馬を予想する馬券があれば、紙面上は二重丸だらけで、オッズも1.1倍は確実だろう。実際に、3歳秋以降の直近12戦で、ハナを奪えなかったのは昨夏の北九州記念(G3)だけだ。抜群のゲートセンスに加え、誰もが現役屈指と認めるテンのスピードを誇る。
ただし枠順によっては、モズスーパーフレアに絡んでくる馬がいてもおかしくない。
「これまでの戦績からラブカンプーとビアンフェは、本音ではハナを切りたいはず。しかし、両馬とも前走のセントウルS(G2)で、セイウンコウセイとのハナ争いが乱ペースを生み、ビアンフェは5着、ラブカンプーは16着に敗れました。鞍上もそれぞれ同じ騎手が継続して騎乗する予定です。心理的にも、同じ過ちは犯したくないはず。現実的に、互角のスタートならモズスーパーフレアに絡むことは難しく、今回は最初から2~3番手に控える競馬をするのではないでしょうか」(競馬記者)
本来なら逃げたい2頭が無理をせず控えれば、モズスーパーフレアは楽に逃げる形となりそうだ。ある意味、セイウンコウセイがモズスーパーフレアの“アシスト”をしたとも言えるだろう。
そこで気になるのがスプリンターズSにおける逃げ馬の成績だ。G1昇格後の過去30年で、逃げた馬の成績は「4-5-2-19」。過去に4頭が逃げ切り勝ちを収めている。
最初の逃げ切り勝ちはG1昇格から15年目、2004年のカルストンライトオ。その後、06年に豪州馬テイクオーバーターゲット、07年にアストンマーチャン、そして09年にローレルゲレイロが逃げ切り勝ちを収めたが、全て04~09年の6年間という短い期間に集中している。しかし、2010年代に入ると、1頭も逃げ切れず……。2020年代に入り、モズスーパーフレアは再び逃げ馬に流れを引き寄せることはできるだろうか。
9月30日(水)には、栗東坂路を単走で追い切られ、50秒8-12秒2という好時計をマーク。追い切りに騎乗した松若風馬騎手は「馬なりで気持ちよくサラッと行かせましたがとてもいい雰囲気でした。馬体も大きくなりトモに張りも出て完成形に近い形になっています」と相棒の充実ぶりを口にした。また、音無秀孝調教師は「ペースをあまり落とさず独り旅をして欲しいですね」と逃げ宣言をしている。
5歳秋を迎え、充実一途のモズスーパーフレア。今度こそ後続に影を踏ませず、正真正銘のスプリントG1タイトルを手に入れたい。
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