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Monday, May 25, 2020

プラント点検には産業用ドローンが必須、ホビー用とどこが違う? - ITpro

全3311文字

 本連載はドローンとAI(人工知能)によって工場などのプラント点検を自動化する手法を、製油所プラントにおける実例を基に解説する。第2回はプラント点検に欠かせない産業用ドローンがどのようなものか、ホビー用ドローンと比較しながら説明しよう。

 本稿の筆者が所属する自律制御システム研究所(以下、ACSL)は、2013年11月に設立した産業用ドローンの開発企業である。ドローンは近年、家電量販店などでも目に触れる機会が増えており、認知度も上がっている。しかし産業用ドローンとなると、ピンとこない方が大半ではないだろうか。明確な定義があるわけではないが、本稿では便宜的に「ホビー用ドローン」、「産業用ドローン」と呼ぶことにする。

 一般的に産業用ドローンはホビー用ドローンと比較して以下のような違いがあると言われている。第1に特定の業務をこなせるように機能が付加されている。例えば、物流用途なら物資運搬機構を、点検用途なら点検用カメラやセンサーなどを搭載する。第2に自動航行機能もしくはマニュアル操作サポート機能を搭載する。第3に耐風、防塵(じん)、防滴などの耐環境性能に優れている。

写真●産業用ドローン

写真●産業用ドローン

(出典:自律制御システム研究所)

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 一方でホビー用ドローンは基本的に人間がコントローラーを使ってマニュアルで操作し、風景を撮ったり、飛行の技術を競ったりするのが主な用途である。つまり産業用ドローンは業務で使用することを前提としたドローンであり、操作に熟練していない作業員であっても飛行させられる機能を搭載し、一定程度の耐環境性を備えている。

様々な環境で活躍する産業用ドローン

 産業用ドローンはさまざまな分野で利用されているが、その用途は大別すると「物流」、「災害対応」、「農林水産業」、「インフラ維持管理」、「測量」、「警備業」となる。

 「災害対応」と言っても、いろいろな場面が想定される。例えば山岳での遭難者の捜索や、台風や地震などの自然災害時に被害状況の把握、住民の避難ルートの確認など、その用途はさまざまである。

写真●トンネルやプラントでのドローン飛行の様子

写真●トンネルやプラントでのドローン飛行の様子

(出典:左図は自律制御システム研究所、右図は経済産業省)

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 このように産業用ドローンの用途は様々だが、今回は製油所プラントにおける設備点検のような「インフラ維持管理」について、事例を交えながら紹介していく。

 「インフラ維持管理」は現代の社会課題としてよく取り上げられる。高度成長期に構築したさまざまなインフラが老朽化を迎えており、点検すべき対象が増加する一方で、インフラの点検を担う作業員が減少しているためだ。

 インフラ維持管理業務の中でもドローンによってまず代替すべきなのは、高所作業や閉鎖空間での作業である。なぜなら将来的に作業員の確保が困難になるのは明らかだが、現時点では作業員はそこまで不足していないという企業がほとんどだ。そのため作業員を危険にさらしかねない高所作業をドローンで代替することよって、作業員の安全確保を図ったり、足場などを構築する費用の削減を図ったりするケースが多い。

 ドローンによるインフラ点検の対象としては、(1)建物、ダムなどの壁面点検、(2)一般道や高速道路、橋梁、トンネル、鉄道など構造物の点検、(3)電気やガス、水道、インターネット通信などのライフラインを通している洞道やパイプの点検、(4)化学や鉄鋼、石油化学などの大型プラントにおける各種設備の維持管理、などがある。

インフラ点検におけるドローン最大の課題とは?

 インフラ点検においてはドローンのカメラもしくは赤外線カメラを使用し、亀裂や浮き、さび、漏油の有無を確認する。さらに発展が目覚ましいAIを用いた画像解析によってこのような不具合箇所を自動的に判定するソフトウエアと組み合わせることで省人化を図る。

 このように色々な場面で検討されているドローンによるインフラ点検だが、さまざまな課題がある。

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